2010. 3. 8
お久しぶり
気がつけば1ヶ月経ってますな。
レース参戦、大会サポート、お仕事など忙しく活動してました。
まぁゲレンデでお会いしている方も多いのでご存知と思いますが、
レースの成績は全くダメですね。
そうそう、昨年撮影で訪れた旭川に今年は遊びに行ってきました。
もちろん旭山動物園もね。
ペンギンの散歩も観れたし旭岳のパウダーも最高!
楽しかったぁ〜。
また細かい話は追々アップするとして、
とりあえず今期のレース参戦は終了にしました。
高鷲のプロ戦にはみんなの応援で行くつもりです。
林もそろそろ転換期ですかね?
2010. 3. 19
御逝去
先日、スノーボードでお世話になった方の奥様が亡くなりました。
何度もお会いしたし一緒に食事もしたけど、病に倒れるとは考えられないほどお元気だったのに・・・
心よりご冥福をお祈りします。
2010. 3. 24
ケスラーボード試乗レポート
最近よく見るハンマーヘッドと呼ばれるスノーボードありますよね。
そう、ボードの先端が丸くない潰れたような形で、金属系素材を使った構造のものはメタルボードとも呼ばれます。
その代表格ともいえるボード『KESSLER(ケスラー)』の試乗するため、尾瀬岩鞍にあるK-snow JAPANに行って来ました。
http://www.k-snow.com/
今回のオリンピック・スノーボードアルペン&クロス競技で半分ぐらいの選手がケスラーを使用していたんじゃないでしょうか?
『異次元!』とか『F1みたい』などという評判を実際に確かめたくてね。
その素晴らしい性能をお伝えしたいと思います。
テストしたのはスノーボードクロスをメインターゲットにしたフリースタイルボード『シルバー』、『ブラック』、『ホワイト』の3種類。
ここでご注意いただきたいのが、ケスラーボードはハンドメイドのカスタムオーダーであるということ。
今回は林のためにカスタムされたボードの試乗ではありませんが、試乗用ボードでも十分にその高い戦闘能力を体感することが出来ました。
『KESSLER KST-FS162 シルバー ウェスト250/スタンス54』
これはトップシートにメタル素材のシートが貼られシルバーに輝くモデル。
まず持ったときに軽く感じ、そして乗ってみるとあまりの違いに驚かされた。
一般的なボードのようにセンターポジションに乗っているだけでは安定して曲がらない。
しかし後ろ足荷重メインの乗り方に切り替えると、いままで経験したことの無いほどしっかり(というよりガッチリ?)としたエッジグリップで曲がっていく。
特にバックサイドでのグリップ感は素晴らしく、少々上体がターン内側に落ちてしまってもテールエッジがズレない!
ターン後半に切れ上がるカーヴィングが可能です。
そしてなにより驚いたのは不整地ロングターンの安定性。
普段ならボードが暴れて狙ったラインより下へズルズル落とされてしまう状況でも、しっかり後ろ足に乗っていれば狙ったラインに向かってボードはカーヴィングを続けてくれる。
これなら荒れたバンクも安心して攻めれるでしょう。
前足はきっかけ程度で、8〜9割は後ろ足荷重でコントロールする乗り方が良好。
『ボードのねじれ』を利用したターンではなく、単純に『ボードを曲げる』ことでターンしていく設定のようだ。
そのため谷回りでラインがすこし外側に膨らむ傾向にある。
頑張って低いポジションまで使って荷重・抜重しなくても、中〜高ポジションで十分に曲がってくれる。
乗り方を変える必要はありますが、いままでのボードから大きく進化した性能が感じられました。
『KESSLER KST-FS162 ブラック ウェスト250/スタンス54』
これはシルバーモデルに対し、ボード形状を変更しメタル素材シートの上にブラックのトップシートを追加したモデル。
シルバーとの主な違いは『より落ちていく』乗り味でしょう。
乗り方としてはシルバー同様に後ろ足荷重メインですが、ターン後半のエッジグリップは弱め。
これはサイドカーヴがよりストレートに近い形状になっているからでしょう。
そのためシルバーのようにターン後半に切れ上がる感覚ではなく、ブラックは『フォールラインに向かって加速して落ちていく』、つまりターン弧は大きめの設定ですね。
アルペンボードっぽい乗り味なので体重やパワーの無い方には辛いかもしれません。
ポジションはシルバーに比べれば両足荷重よりではあるが、一般的には十分に後ろ足荷重でしょう。
ターンのキレ、不整地での安定性は一般的なボードと比較してシルバー同様に高いレベルにある。
クロスレースを想定した場合、ブラックは最速ラインを狙えるタイプだが、混走時など瞬時にあらゆるラインを狙うならシルバーが良好でしょう。
『KESSLER KST-FS157 ホワイト ウェスト250/スタンス54』
※本ボードは前述の2本に対し長さが短いですが、試乗時はシルバーの157cmと乗り比べて検討しています。
ホワイトは最新モデルで、シルバーモデルにホワイトのトップシートを追加したもの。
これも後ろ足荷重のポジション、テールエッジグリップのしっかり感はシルバーと同じだが、ターン中の安定感、特に不整地ロングターンでの乗り味がマイルド。
シルバーのエッジングが『ガッチリ』なら、ホワイトは『しっとり』でしょう。
ホワイトモデルはターン中のバタつきがよく抑えられ安定しているので、エッジが雪面捉えている時間が長く狙ったラインにのせやすい。
このしっとりしたエッジグリップのためかボードの角づけが戻される感じがあるものの、高いポジションでも十分なターン性能を有しているので気にする程ではない。
また足元が安定しているのでライダーがボードの上で動きやすくコントロールしやすい。
シルバーモデルの良い所を残し、ライダーが乗りやすいよう改良されたことがよく分かります。
『まとめ』
今回試乗した3種のモデルから林がクロスに使用するならホワイトモデルを選択するでしょう。
理由は『運動のしやすさ』と『ターン後半のエッジグリップ』、そして『安定感』。
しかし今回試乗したボードは試乗用のモデルであり林にジャストフィットなデザインでは無かった。
前述のようにケスラーボードはカスタムオーダーが可能なのでライダーの身長、体重、ブーツサイズ、セッティング、希望によってサイドカーブ、幅、フレックス、厚さ、ノーズ形状などを調整し貴方だけの最適モデルを作ることが可能。
よってブラックやシルバーモデルで貴方に理想的なボードが完成する可能性があることもお忘れなく。
余談ですが、ケスラーボードは後ろ足の膝周りと腰に疲労がきます。
乗りこなすにはしっかり体を鍛える必要もあるでしょう。
クロスなど競技向けボード市場が縮小している昨今、勝利を手に入れるには高価だけど高性能なカスタムボードが必要なのかもしれませんね。
ご興味のある方はケスラー取扱店『LEGNA:松崎店長』までご相談ください。
http://www.legna.co.jp/index.html
<テスト環境>
・日時 : 2010年3月21日 10:00〜
・天候 : 曇り時々晴れのち雪、やや強い風
・ゲレンデ : 群馬県ホワイトワールド尾瀬岩鞍
・コース : ミルキーウェイ(中〜緩斜面)
・ゲレンデコンディション :
(上部)ウェットの新雪、(下部)ザラメ雪
下地が硬くその上に新雪〜ザラメ雪がのっており上部ではグリップ良好、下部はズレやすい。
表面は少々荒れてボードがばたつきやすい。
・視界 : 良好。
※ 注意
本来試乗では設計上の狙いやボート特性を比較しやすいよう推奨スタンスと基本的な乗り方によってテストするが、最新ボードは極端に後ろ足荷重を想定した設計のため、これに合わせたポジションで試乗を行った。
(今回のケスラーボード試乗はすべて推奨ポジションから20mmセットバック、スタンス54mmでセッティング)
※ その他の詳細はケスラージャパンHPを参照してください。
http://www.k-snow.com/kessler/products.html