2006. 1. 1  あけましておめでとうございます。
 
 気がつけば2006年が始まっていました。近年まれに見る豊富な雪、皆様存分に楽しんでいますか? 林はアメリカ遠征のご報告も終わらないまま年が明けてしまって忘れ物をしてきたような気分ですが、「過去は生ゴミ!」気にしません。「アメリカ遠征記」は追々アップしますので、もう少々お待ちください。今年も不定期に林達彦の珍道中な人生を駄文にてお届けしたいと思っております。また今年もお付き合いくださいな。 
 
 さて、今年は雪山にベースを設けず名古屋の実家をベースにスノーボード活動を展開している訳ですが、これが結構たのしい。サラリーマン時代のあの時間を惜しんでハングリーに滑り込む感覚や、いろんなゲレンデを楽しむ余裕(今年はシーズン券を持っていません!)、いままで一緒に滑れなかった人達とのセッションなど刺激的に雪上を楽しんでいます。名古屋は雪かきしなくてもいいしね(あ、先日の記録的な大雪の時は、実家でも雪かきしたっけ)。もうすぐ国内のレースも始まるので移動で大変になるとおもいますが、どんな戦いが待っているか楽しみですわ。今年は皆さんとも一緒に滑れるかな? 
 では、本年も林は全開突撃で頑張ります! 
 
写真:久しぶりに夕焼けになるまで滑っちゃった。 
  
 

2006. 1. 3  初・体験!
 
 友人に誘われて日帰りバックカントリーツアーに参加した。集合場所に近づくにつれ降雪は多くなり、開催されるのか怪しかったがツアーは開始された。具体的に何処に登って何処を滑るのか、オイラ知らなかったのね。車に乗せられゲレンデに到着。リフトを乗り継ぎそこからオフピステに突入。雪は深くラッセルがキツイ、とはいえラッセルしているのはスキーの方々で私と友人はスノーシューなので役立たず。シールのついたテレマークの機動力が高いとはいえ、それでも雪は深く重く一歩一歩ノーズをあげるのに苦労しているようだった。 
 
 私が今まで経験したハイクアップはせいぜい2〜3時間。ルートもわりと簡単なものだけだ。しかし今回は違った。本来は2〜3時間の行程が、深い雪のせいで5時間ほどもかかって滑り出すポイントに到着。雪の降りはだんだん激しくなってきている。積雪の状態も不安定で危険らしい。ガイドの指示で彼の滑った尾根上ラインをトレースすることになった。尾根以外は雪崩の危険性があって実際何カ所も雪の破断面が発生していた。あまり距離を滑ってしまうとラインを見失う恐れがあるので、一度に滑る距離も短く区切って安全に確実に滑り降りていった。しかしこの深い雪の中で止まることはスノーボーダーには辛いのだ。再びスタートしようにもノーズが埋まってしまって身動きがとれなくなってしまう。私と友人は深雪に何度も埋まって、もがきながらスキーヤーについていった。私、一応プロですし滑りには自信がありましたが、止まるたびに埋まるのはホント辛かったし自分のヘボさにへこみましたわ。正直今回のパーティーの足を引っ張ったのは我々だったと思います。スキーはプルークでスピード調節がしやすいし、なにより歩けるのは有利だ。2時間ほどかけて下りルートの半分くらい降りたところで陽が傾いてきた。  
 
 「このままでは暗くなってしまう。先を急ぎましょう!」とガイドが先に降りたところでルートミスが発覚。少々下りすぎて尾根を間違えてしまったようだ。ガイドが登りかえすので我々は現在地で待機する。しかし登りかえすルートは斜度もあり身長をこえる積雪で簡単には戻って来られないようだ。そこでガイドからトランシーバーで連絡が入った。「今日はここでビバーク!」。つまり雪の中で野宿ということです。「おいおい、マジッスか?」。食料も装備も日帰りツアーしか想定してなかっただけに、こりゃ危険でないの? 
 とりあえず寒さを防ぐ為の雪洞を掘る。これが結構面白い。交代で掘り進んで数時間かけて6人が入れる雪洞が完成。雪や風を防げるだけでもかなり温かい。辺りはすっかり暗くなってヘッドランプが無ければ何もできなかったが、皆さん準備が良くて携帯していたので問題なかった。とりあえず雪洞の中でじっとしていたらやっとガイドが帰ってきた。この暗闇の深雪の中、独りでラッセルしながら登れるルートを探しながら数時間かけて戻ってきたようだ。これ凄いよね。 
 あとは朝が来るのをじっと待つしかない訳だけど、寒さ対策をすることが大事。たまたま友人がツェルトや防寒着の予備を持っていたのでかなり助かったが、雪洞の中でじっとしているのはマジで寒い。雪洞を掘る際に濡れてしまったグローブを取り替え、バックパックを下にひいてツェルトにくるまっていても体が冷える。特に足の爪先が痛い。明日の行動に支障が出ないよう体力を温存しようと眠ろうとするが寒くて眠れない。時間が過ぎるのが遅い。死んじゃうかも?なんてシリアスではなかったが色々考えさせられたね。この雪洞が崩れるかも?雪崩で雪洞が埋まってしまわないか?明日の天候がひどくてもう一泊?これだけは勘弁して欲しいと思いながら、頑張って寝た。 
 
写真:悪天候の中を進む一行。う〜ん変態だ。 
  
 

2006. 1. 4  無事生還
 
 夜中、寒さで何度も目が覚めた。その度に関節を動かしながら末端に血液を送って温めようと試みる。が、あんまり効果はないようだ。足の爪先がいたい。皆も寝たり起きたりを繰り返している。早く朝が来て欲しいとこんなに切望したことはないね。時間の進みが遅くて時計をみるのがイヤになった。 
 そしてやっとのことで雪洞に朝日が差し込んできた。雪は止んで天候は良さそうだ。これなら帰れるだろう。まずは腹ごしらえ。昨日食べずにとっておいたゆで卵とソーセージを友人と二人で分けた。これが最後の食料です。もう一泊は絶対無理!っていうかイヤだ。 
 
 ガイドは登りかえすルート工作の為にスコップを持って出かけていった。我々は交代でその作業が安全に行われているか下から見守った。外は寒かったが雪洞の中でじっとしているのはもう限界だったので、林は外に出て体を動かしていた。ほんの数十メートル登りかえすのに1時間以上もかかって正規のルートに戻って来られた。その途中、雪崩の危険性が高いと思われるバーンをトラバースしなければならなかったので、安全確保のためザイル(ロープ)で確保しながら一人ずつ移動した。緊迫してるねぇ。 
 そしてやっと滑り始める。しかし雪の状況は昨日と変わらず危険。尾根上を確認しながら進むガイドを追いかける。昨日よりは少し雪が落ち着いて滑りやすいが、相変わらず雪の中に埋まってもがくことが多い。途中、スキーヤーが転んだ瞬間に転んだすぐ下の雪が崩れ流れていった。マジで危険だぁ〜!目的地のゲレンデが近づいてきて滑り降りる方向が判ってきたら、パウダーを楽しむ余裕が出てきた。ほんのちょっとだったけどね。 
 そして昼過ぎにやっとゲレンデに到着。まず温かいコーヒーを買いに行った。ああ、生きかえるぅ〜って感じ?迎えに来たガイドが用意したコンビニおにぎりが旨い。干し芋が旨い。こんなに空腹になることって普通ないもんね。水だけで1週間生きのびる、ってのは想像したくないね。 
 
 それからガイドの心遣いで焼き肉喰って、温泉入って、宿で仮眠させてもらってから名古屋に帰ってきました。いやぁ〜疲れたね。足の爪先は痺れたままだし。 
 今回のバックカントリーツアーでかなり考えさせられましたね。まず装備は最悪のことを想定して準備すること。日帰りの行程といえども天候の変化でビバークは十分あり得る事。そして山に入る以上、今回のよう危険が有ることを覚悟しておくこと。いやホント勉強になったよ。ガイドが同行しているときに図らずもビバークできて、ある意味幸運だったと思う。事故もなかったし自力下山できてホント良かった。 
 復習しっかりしてリベンジですわ。 
 
写真:楽しい雪洞掘り風景。 
  
 

2006. 1. 26  国内シーズン本格始動
 
 はい、相変わらず不定期更新でご無沙汰しております。まあ毎年シーズン入ってしまうとなかなか余裕のある時間を確保するのが難しいんだけど、今年は名古屋ベースだけに今まで以上にやることが多い。今は確定申告に時間を取られている。しかし忙しいながらも滑りに行く時間はしっかり確保しているのだ。富士見パノラマでトレーニングしたり奥美濃方面のゲレンデでパーク楽しんだりニセコでパウダー喰ったりしている。滑っている時間は例年に比べるとかなり減っていると思うが、逆に集中力が高まって滑ることがスゲ〜楽しい。 
 そして国内のクロスレースが始まった。最初は北海道・富良野のジャパンクロスゲームマスターズだった。結果はクロス人生で2回目かな?1回戦敗退。最悪です。悔しいから細かい話は書かないが、負けたときは発狂しそうだった。まさに「こんな筈では・・・」って感じ。この悔しさは今週末のマスターズ苗場で返すのだ。 
 これから3月末までほぼ毎週末レースに参戦。プロ戦もマスターズもFISも日程が許すかぎり出るつもりです。優勝するぜ。